トラウマをカウンセリングで改善する方法

query_builder 2023/01/26
ブログ
s-AdobeStock_110640561

こんにちは。

いつもお読みいただきありがとうございます。

丹波橋こころの相談室の東です。

やっと時間が取れ、

コラムを書こうと思い立ちました。

これが今年初めてのコラムになります。

今年も早いもので、

1月もすでに25日です。

京都では初天神が行われるはずですが、

しかしこの気候でやっているのでしょうか。

今日の雪はびっくりですね。

昨日は日が暮れ始めたころから、

ここ伏見でも猛吹雪になり、

京都で初めてです。

窓の網戸に雪がびっしり。

外が見えませんでした。

こりゃまずいと、

営業時間をずいぶんと前倒しして、

昨日はダッシュで家に帰りました。

皆さんは無事に生活をしておられますでしょうか。

昨日は電車の中で7時間とか9時間とか閉じ込められられた方がおられました。

さぞかしお苦しかったと思います。

被害にあわれた方はできればゆっくり休養してください。

私があんな状況に入れられたら、

電車に乗ることがトラウマになってしまいそうです。

 

偶然ですが、

今日はこの「トラウマ」と

カウンセリングの方法について

お話をさせていただきたいと思います。

 

 トラウマとは

先ほども使いましたが、

近頃トラウマということばがすっかり市民権を得ました。

何かショックなことや、

こころに残るつらい話がある時なんでしょうねぇ、

「トラウマやわぁ」ということばが聞こえてくること頻繁です。

さて

このトラウマということばですが、

もともとはギリシャ語で「傷」という意味だそうです。

そしてこのトラウマということばがいつ出てきたかと申しますと、

結構新しくて100年ぐらい前のことです。

第一次世界大戦を経験した多くの戦闘員が、

復員後、

眠れなくなったり、

戦争場面のフラッシュバックに苦しんだり、

人格が変容したり

さまざまな精神症状を表すようになりました。

その方々の精神的な診療にあたったのが心理学者のフロイトでした。

フロイトはその精神状態を心的外傷後ストレス障害(トラウマ)と名付けました。

それが今皆さんが使っておられるトラウマということばの始まりです。

しかしこのように話をさせていただくと、

皆さんが日常的に使われるトラウマとはちょっと苦しさの階層が違う気がしてきますよね。

皆さんが日頃使っておられるトラウマは広義のもので

心理学的にトラウマという表現を用いるときには

上記に述べたような狭義な意味で使うことが一般的となります。

ではその狭義のトラウマ治療にはどんな療法がよいのでしょうか。

 

トラウマにはどんなカウンセリングがよいのか

トラウマと考えられる状況には以下のようなものがあります。

思いもかけない災害

(今回のように何時間も狭い場所に閉じ込められることも当てはまりますし、東日本大震災、阪神淡路大震災、各地で起こる水害は家族や恋人、友人を一瞬にして失いますし、一切の財産を失うことになります。そのような状況によって引き起こされることもあります。)

思いもよらない事故

(軽井沢のバス横転事故も多くの人がなくなり、その結果として、心的外傷を受けた方は多いと思います。)

思いもよらない事件

(最近では福岡でも起こりましたが、殺傷事件や、秋葉原の通り魔事件、自動車事故によるひき逃げなど、それにより大切な人を失うことで心的外傷を負われている方があります。)

虐待

(親からの度重なる、精神的、肉体的、経済的、性的虐待によって、取り返しのつかないこころの傷を負っている子どもたち大人たちがいます。)

DV

(パートナーからの幾多の精神的、肉体的、経済的、性的DVにより、大きなこころの傷を負った人たちがいます。)

いじめ・ハラスメント

(いじめている本人たちは全く意に介していないようですが、それらの行動言動で、死を考えるほど追い詰められている人がいます。)

上記以外にもトラウマと考えられる状況におられる方は本当にたくさんいらっしゃいます。

これらのような体験をされた方たちはこころに深い傷を負われ、

その後睡眠障害や

フラッシュバック(こころの傷をおった場面の映像を夢だけでなく、現実場面のふとした瞬間にまるで今その不快な状況にいるかのようなありありとした感覚を持って、映像とともに実体験する状態)

時系列のない記憶(確かに自分が経験した体験なのだが、それが時間の流れ通りに記憶されず、大人で経験したことを子どものころに経験していると記憶していたり、日にちや時間がぐちゃぐちゃな状態でランダムに記憶され、最終的に自分の経験なのかどうかさえあやふやになる)

人格変容(普段は物静かな人なのに、急に明るくなったり、急に泣いてばかりいたりなど、人格が時と場所を選ばず、ころころと変容する状況になることです。それもきっかけなく変容するので、周囲からも不可思議な行為をしている、言動をしていると奇異な目で見られることもあり、自分自身もその変容についていけず苦しんでおられる方がおられます。)

等々の症状を現出されます。

そういう方にお勧めしたいカウンセリングは

EMDRです。

ご存じの方も多いとは思いますが、

このカウンセリングは

心的外傷状態を苦痛で嫌な人生経験が不完全に処理されている状態と仮定し、

その経験を適応的に統合していくことを目指して行われるものです。

私はこの療法を行うことはできないのですが、

なさった方にお聞きすると、

明らかに

私がやっている精神分析的精神療法に比べても

ご利用者さまの精神的負担は少ないように思います。

心的外傷というぐらいですから、

すでに大変苦しんでおられて、

日常生活にも支障が出るほどの精神状態でいらっしゃるわけですから、

少しでも負担の少ない療法を選ばれるのは

私はよい選択だと思い、

お勧めしています。

眼球運動を操作をすることで、

徐々に不安感や疲労感などが軽減され、

最終的にはフラッシュバック等の症状も消すことができるのだそうです。

トラウマで困っておられる方はぜひこの療法を試してみられてはいかがでしょうか。

EMDRで検索していただければ、

お近くでやっておられる場所がわかりますので、

探してみてください。

ただ、

この方法は1回の面接に非常に時間がかかることを

付記しておきます。

1回につき2時間程度の時間が必要とのことでした。

 

ちなみにうちでやっていることを蛇足ながら

タイトルでもわかるように、

消え入りそうな勢いで、申し訳ありません。

上であんなにEMDRがいいよと書いておきながら、

当所にも心的外傷後ストレス障害でおいでになられる方がたくさんおられます。

もちろん上記のようにご紹介もするのですが、

心的外傷後ストレス障害にかかられてからずいぶん時間がたっておられて、

しかも現在もその状態が継続中(例えば虐待やDV)の方や

心的外傷後ストレス障害プラスアルファの症状を抱えておられる方に関しては

1つ1つの症状があまりに錯綜していて、

1つの体験が上手に統合されても、またほかの問題が出てくるといった状況が長らく続くため

EMDRの良さもわかるけど、

話を聴いてもらう方が私にはいい気がするといわれて、

来てくださる方がたくさんおられます。

もちろん、

私は精神分析的精神療法しかできませんので、

過去の嫌な体験もお聞きせざるを得ず、

本当に苦痛を伴うもので誠に申し訳なく思うのですが、

時には一緒に涙しながらお話をお聞きしています。

私のやり方としては

過去に起こったことに関してはひたすら傾聴します。

傾聴する以外私にすることはないと断言できるほど、

本当に苦しい体験をされています。

そして

今起こっていることに関しては、

どうやって防いでいくかを一緒に考えるというスタンスでやっています。

こちらの方法は本当にご相談者さまの負担が大きく気の毒でならないのですが、

それでもやり遂げてくださった方たちは、

心的外傷が自分だから受けなければならなかったことという間違った認識を脱ぎ捨ててくださり、

受けた外傷が許しがたいものであることを客観視してくださり、

そのような状況でありながら今日存在で来ているご自身を真のサバイバーと考えてくださり、

誇りをもって生きてくださるようになってくださいます。

その姿に触れるたび、

本当に生きることの大切さを学ばせていただけ、

この仕事をしていてよかったとこころから感じさせていただけます。

こころから感謝する瞬間です。

 

最後に

私は個人的にトラウマに関しては

EMDRという素晴らし療法があるので、

それをお勧めしたいというのが本当のところです。

しかし、

人は十人十色。

全ての方が一つの方法で治るということも実はないものです。

ご自身が自分に合った療法で、

苦しかった過去、苦しい現実を

何とか乗り越えてくださること

こころから祈ります。

〇●—————————————————-●○

丹波橋こころの相談室

東  浩子 / HIROKO HIGASI

〒612-0066 京都府京都市伏見区桃山羽柴長吉中町55-1

コーポ桃山202

TEL: 075-757-9855 FAX: 075-757-9855

Email: t.cocolo.c.com@gmail.com

URL: https://t-cocolo-c.com/

○●—————————————————-●○

===========================

臨床心理士として32年。

皆さまのこころの健康をご一緒に考えさせて

いただきます。

京都でカウンセリングをお考えの皆さま。

丹波橋こころの相談室に

お越しください。

===========================

NEW

  • トラウマをカウンセリングで改善する方法

    query_builder 2023/01/26
  • 心理カウンセリングが必要な人とは?

    query_builder 2022/12/27
  • カウンセリングはどれぐらいの期間通えばよいのか

    query_builder 2022/10/27
  • 心理カウンセリングの効果

    query_builder 2022/08/22
  • 心理カウンセリングについて

    query_builder 2022/08/22

CATEGORY

ARCHIVE